BCPにも、企業の伝え方が現れる

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みなさんの会社はBCP対策を行っていますか? 少し「ドキッ」とする問いかけでしたが、実はこのBCP対策に企業の伝え方が顕著に表れると考えています。

BCPと企業の伝え方

ここでBCPについておさらいしておきましょう。BCPとは「事業継続計画(Business Continuity Plan)」を意味します。中小企業庁のホームページから引用しましょう。

BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。

「平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく」  ここに企業ごとの資料作りの姿勢が見えてくるのです。連絡網やチェックリストでおわるところもあれば、きちんとマニュアルを作成し周知徹底に努める企業もあるでしょう。

『どんな会社でも必ず役立つ あなたが作るやさしいBCP【第2版】』(日刊工業新聞社、2011年)という書籍では、BCP文書作成についてのむずかしさを以下のように表しています。

BCPは法律で規定されている文書ではないので、確定申告用紙のような標準的、定型的なひな型はありません。業種や会社の規模、会社の方針、作成者のセンスなど、いろいろな要因が重なるので、一概にこれぞBCP、どこから見てもBCPというわけにはいかないのです。(P.102)

BCPと企業の「わりきり」

また、BCPには「わりきり」が必要です。例えば重要なデータを遠隔地間でバックアップをとろうとしても、企業ごとの膨大なデータをすべてバックアップすることは不可能に近いでしょう。

重要なデータをどこまで「わりきって」遠隔地バックアップするか、それを定める文書にも「わりきり」がつきまといます。

また、一概に「緊急時」といっても、どこまで想定するべきなのでしょうか? 大地震や大火災は起こりうるとしても、大規模テロ攻撃まで視野に入れるべきでしょうか?

企業ごとにリスク対策に優先順位をつけ、ある程度の「わりきり」を行い、マニュアル化する。企業ごとにかなりの温度差が生じる理由がここにあります。

BCPの必要性

とはいえ、起きてしまってからでは遅いのがBCPなのです。BCPは直接的な利益を産みません。だからといって、何の対策もしないままでは、災害に直面したときに失うものが大きいのです。あなたはシートベルトのない車にのりたいと思うでしょうか?

元内閣安全保障室長の佐々淳行氏曰く  

危機管理の基本は、悲観的に準備し、楽観的に対処すること

災害時の行動規範を示すもの、それがBCP計画に基づくマニュアル作りなのです。