分かりやすさって何だろう?

分かりやすさって何だろう?
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情報を第三者に伝えるための資料を作るとき、分かりやすさは常に作り手に求められるものです。しかし、いざ実際に作ろうと思うと「分かりやすい」ってどういうことなのか、なかなか想像がつきませんよね。

そのヒント、実は割と身近なところに眠っているかもしれません。

 

「分かりにくい」が分かりやすさに近づく第一歩!?

「分かりやすい」を理解するには、逆に「分かりにくい」と言われるものがどういったものなのかを分析してみるとよいでしょう。
身近にあるもので「これ、何が言いたいか分かりにくいな」と感じたときがチャンスです。そこに書いてある内容によく目を通して、なぜ分かりにくいと感じたのかを自分なりに推理してみましょう。
例えば、昼休みに休憩から戻ってきたとき、あなたのデスクにこんなメモが置いてあったとしましょう。

○○さんへ
明日のため、書類を提出をしてもらった方がいいかもしれません。 鈴木

さて、これを読んだあなたはどう思うでしょうか。
昼休憩の直前まで鈴木さんと明日のスケジュールについて話し込んでいたならピンとくるものがあるかもしれませんが、そうでなければ思わず首を捻ってしまうことでしょう。きっと明日の予定は何だったかを確認し、誰からどんな書類の提出が必要だったのかを思い出そうとするはずです。

しかし、このメモがもっと分かりやすく物事を伝えていれば、あなたがそんな手間をとる必要はありません。では、このメモが分かりにくいと感じるのは何故でしょう。

 

「分かりにくい」を解決して「分かりやすい」を作ろう!

先の例文の分かりにくいところは、まず目的が「明日のため」としか書かれていないところです。これでは明日の何時からの会議か、それとも現場作業か、はたまた出張か、具体的な内容が分かりません。目的がきちんと記述されていれば、このメモが何のためのものなのかすぐに察しがついたはずです。

次に「提出」にかかる主語がハッキリしませんね。「誰が」書類を提出しなければならないのか、この文章から読み取ることはできません。これではあなたが書類を提出すればいいのか、あなたの部下や同じチームの誰かに提出させなければならないのか、迷ってしまいます。
書類もどのような書類なのか具体的に指示がないため、推測をさらに難しくしています。

さらに「かもしれません」という曖昧な語尾。この書き方だと、「しなくてもいい」可能性があるのかと思ってしまいますね。提出が必須であれば「提出してください」と記述し、不要な場合があるときはその後に注釈として説明を入れるのがいいでしょう。

これらを踏まえて先のメモを訂正してみましょう。

○○さんへ
明日の15時からの経営企画会議のため、営業担当の佐藤さんから営業報告書類を提出してもらってください。 鈴木

指示が具体的になり、分かりやすくなりましたね。ちょっとしたメモや走り書きからでも「分かりにくい」理由を探して考えるようにしてみると、やってはいけないお約束が理解できるようになってくるはずです。
そのお約束をやらないように気をつけることが、「分かりやすい」を作る近道なのです!

 


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